古寺を巡る
京都の建仁寺、鎌倉の建長寺を巡る
鎌倉時代初期に禅宗が伝えられると、禅は武家をはじめとする上層階級の精神のよりどころとなり、同時にその美意識は、書・水墨画・建築などに深く影響した。その初期の日本の禅宗にとって、重要な存在として知られる渡来僧に、建仁寺第11世蘭渓道隆がいる。
蘭渓は34歳で来日、鎌倉幕府執権北条時頼の帰依を受けて、鎌倉の建長寺の開山に迎えられている。
建長寺は日本で初めて禅寺を称した純粋禅の修行道場である。本格的な日本の禅は、鎌倉の建長寺から始まった。意外なようだが、当時、京都にさえ、禅宗専門の寺院はなかった。
建長寺初代住持となった道隆は、中国禅林の厳しい修行をそのまま日本に移し、弟子達にも厳しい行を課した。開山みずから認(したた)めた「法語規則(ほうごきそく)」(国宝)には、修行方法や作法が簡潔に記されている。曰(岩)く「鞭影(べんえい)を見て後に行くは、即(すなわ)ち良馬に非(あら)ず。訓辞を待って、志を発するは、実に好僧に非ず」(禅の道に進む者は、みずから課題をみつけて取り組まなければいけない)など、怠惰放縦(たいだほうしょう)を戒め、参禅弁道に専心すべきことを説いた。
蘭渓所用とされる袈裟は、弟子たちを厳しい規律によって指導し、質朴な禅風で知られた蘭渓の精神を今に伝える。
わが心のジェニファー
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恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へひとり旅をすることになったニューヨーク育ちのラリー。日本人の行動様式に戸惑いながら旅を続ける中、様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。
文/小学館ウイークリーブック 「古寺を巡る18・44」 写真/水野 克比古 編集/「日本の本」編集部