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没後50年藤田嗣治展が始まりました2018/08/21

私は世界に日本人として生きたいと願ふ、それはまた、世界人として日本に生きることにもなるだらうと思ふ。

藤田嗣治「随筆集、地を泳ぐ」(1942年)

 

1920年代、エコール・ド・パリの寵児の一人、藤田嗣治(レオナール・フジタ/1886~1968)。日本人でありながら人生の約半分を外国で暮らし、1955年フランス国籍を取得、スイスにて世を去る。

10月8日まで、上野の東京都美術館にて藤田嗣治の大回顧展が開催されている。本展覧会は藤田の独特な視点を浮かび上がらせる「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」などテーマ別に構成。藤田の代名詞ともいえる「乳白色」の下地が映える裸婦、中南米諸国で描かれた貴重作、二度の世界大戦関連作品など、パリに戻った後の晩年の代表作に加え、見どころが満載だ。世界中から初来日となる作品、これまで紹介されることが少なかった作品も多い。

多面的かつ多層的な画業は、小学館『藤田嗣治画集』「巴里」「異郷」「追憶」(全3巻)で画家の足跡とともにたどることができる。

文/「日本の本」編集部 写真/© Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2017 E2833