日本庭園
日本庭園の見方
日本庭園の歴史は6世紀後半の飛鳥時代(6世紀~7世紀)から始まる。そのころ仏教などとともに、中国大陸の最新文化として庭園造りが日本に伝わった。それは古代中国の皇帝たちが傾倒していた民間信仰の神仙蓬莱思想の影響を強く受けており、その後の日本庭園に長く引き継がれることになる。
平安時代(9世紀~12世紀)から鎌倉時代(13世紀~14世紀)にかけて、日本庭園は仏教との関わりを強めていく。特に鎌倉時代以降の禅の影響は非常に大きい。さらに時代が下るに従って、日本庭園はその時々に盛んになった和歌や茶の湯の要素もどんどん取り込み、江戸時代(17世紀~19世紀)になると一大総合ワンダーランドに発展する。
日本庭園は水を豊富に使った池泉(ちせん)庭園と、水を一切使わない枯山水(かれさんすい)庭園に大別できる。池泉の形はほとんどが曲線状である。日本列島は豊富な自然に恵まれている。そこに住む人々は太古の昔から自然とともに生きてきた。その自然は植物にしろ、河川にしろ、すべて曲線でできている。自然は時に猛威をふるうが、それ以上の自然の恵みに感謝した古代の人々は、曲線のなかに美と安らぎを感じたのである。
広重 名所江戸百景/秘蔵 岩崎コレクション
150年間保存されていた、初摺浮世絵版画の色彩を小学館特性浮世絵用紙と世界最高の印刷技術で再現。『名所江戸百景』全120図に加え、『近江八景』『二代広重肉筆画』『広重死絵』を画帖に編纂した、秘蔵コレクション。
イラスト/蓬生雄司 文/田中昭三 編集/デヴォン ロイス ダンカン